企業向け賠償責任保険の事故対応
賠償責任保険とは、
『法律上の損害賠償責任を負担することによって被る損害を補償する』
となっています。

ポイントは法律上の賠償責任です。
ここで言う法律は、民法、商法、PL法(製造物責任法)等の特別法です。

企業向けの賠償責任保険では、保険会社の『示談代行サービスが付帯していない(示談交渉してくれない)商品が大半です。そのため、実際に事故が起きた際には、企業自身が被害者対応を行い、事実確認、損害範囲の整理、保険金支払いの範囲(支払われる保険金)の確認、相手方との示談協議、弁護士や専門家との連携、さらには保険会社への保険金請求資料の作成まで対応しなければなりません。

何故示談代行サービスが無いのか?

自動車事故では過去の事例も多く、同じような事故の参考となる判例=示談の目安があるが、企業活動における損害賠償事故の場は、事故の原因調査や被害の特定、過失判断、被害者との交渉等、示談に係る労力や費用の負担が大きいからだと思います。

自動車保険対人賠償の一般的な事故対応

1.事故発生
↓
2.保険会社(保険代理店)へ報告
↓
3.保険会社が相手と示談交渉
  ※保険会社による示談代行サービス
  ※ケースによっては弁護士に委任
↓
4.保険金(損害賠償金)の支払い
大まかに言うと、お客様は事故が起きたら保険会社に報告したら終わり。
以降は保険会社にお任せなので、事故解決の煩わしさを実感することはほぼ無いと思います。

PL保険をはじめとする企業向け賠償責任保険の場合は、
1.事故発生
↓
2.事故内容の把握と保険会社(保険代理店)への報告
  ※いつ、どこで、何故、何が起きて、どうなっているか等事故内容の把握
↓
3.相手と損害賠償についての話し合いしつつ、保険会社と連携しつつ、示談交渉を進める

①損害状況の確認(対人事故の場合は、症状、現在の加療状況、医療機関情報等、対物事故の場合は、対象物、損害状況、修理業者等)

②損害賠償請求根拠資料の収集(対人事故の場合は、診断書、費用の明細と領収証、交通費等のその他発生した損害の内訳と領収証、収入を証明する書類等、対物事故の場合は、損害箇所の写真、修理の見積書、代車代等のその他発生した損害の内訳と領収証)

③保険会社との連携
根拠資料を保険会社に提出し、損害賠償額=保険金の算出(査定)
※保険会社や委託先の調査会社が調査を行う=時間が掛かることがある
※追加資料の提出を求められることもある

④相手に示談案を提示しつつ示談書締結に向けて協議
※請求額と遜色無ければ良いが、乖離が大きいと不快を表す相手でも損害賠償額の内訳と根拠を説明し了承を取り付ける
※この段階で相手の意向と保険会社から提示されている損害賠償妥当額の乖離を埋める協議を繰り返す
※交渉決裂し訴訟に発展することや、威圧や嫌がらせ、脅しを受ける事態になることがある
↓
4.損害賠償金の確定と示談
示談書を作成し締結
↓
5.相手への損害賠償金の支払い
上記3の損害賠償金を相手に支払う
※立て替えが発生する
※保険金支払い要件である、『法律上の損害賠償〜損害が発生した状態
よって保険金請求要件が整う。
↓
6.保険金請求(保険金請求書の作成)
事故報告書の記入、保険金請求書の記入及び捺印、添付資料(既に保険会社に提出済みのものを除く)等の保険金請求書類を保険会社に提出する
↓
7.保険金の入金
が一般的な流れです。

自動車保険の賠償事故とはお客様の負担は比べものになりません。

2で注意すべきは、事故対応(損害賠償)のスタンスです。

保険金支払い対象である、法律上の賠償責任の範囲で賠償金を払うのか、事故の相手との関係性や納品先等の取引先の意向を優先したり、言いがかりや嫌がらせ等の会社への影響を考慮して、法律上の賠償責任の範囲を超えて賠償金を払って良い(事故を解決したい)のかです。

また、約款等の免責事項に『第三者との間に損害賠償に関する特別の約定がある場合において、その約定によって加重された損害賠償責任』と記載ある場合は、その内容を理解しておかないと、
①相手から請求されている額>支払われる保険金となり、
②相手との示談交渉が難航したり、
③自己負担を受け入れざるを得ない状況になるので慎重かつ適切な対応が求められます。

事故が発生した際に、社内のリソース(スキル、時間)で適切な初動対応や以降の事故解決を円滑に進める事は可能でしょうか?

対応を間違えると相手との話し合いが拗れることにより、企業への負担と影響は更に大きくなります。

保険代理店業務の範囲においては、

2の事故報告を受けて、保険会社に報告する。

3を進めるにあたり対応の進め方をアドバイスする。

3③の際に保険会社との連携の窓口となる。

6保険金請求書類の案内

に留まることが殆どで、解決までの企業の社内リソースへの一時的な業務負荷(労力と時間)やそれによる生産性低下の発生の回避は困難です。

弊社では、中小企業の生産性低下を軽減するため『企業向け賠償責任保険上乗せサービス』を提供しております。